
ボクは五平。「戦国探偵G」の探偵さ。日本には、戦国時代に隠された未発見の宝物がたくさん隠されていて、その宝物を探し出す為に結成したのが「戦国探偵G」なんだ。助手の菊と長い歳月をかけて調査をした結果、恵那市にある秘宝が隠されていることが判明した。
恵那市岩村町は、八百年余年の歴史を持つ三万石の城下町として、歴史ある町並みや数多くの旧跡が残る史跡観光の町だ。今も城山に本丸などの石垣を残す日本百名城のひとつ岩村城跡には、多くの伝承が残っているんだけど、居城した歴史的人物の中で女城主「おつやの方」の伝承には秘宝の存在が隠されていたんだ。


戦国時代、岩村城の主であった遠山景任(とおやま かげとう)を亡くした織田信長の叔母にあたるおつやの方は、織田信長の五男・御坊丸(ごぼうまる)を養子として迎え岩村城を守っていた。長きに渡り敵対する武田信玄の家臣・秋山信友(虎繁)率いる武田軍に攻撃されていたが、堅固な山城である岩村城は落城することがなかった。その堅固さの理由の一つが『美濃国ノ秘宝』と呼ばれる秘宝の存在といわれているんだ。遠山家に代々伝わる『美濃国ノ秘宝』は五つあって、それぞれ不思議な力を持っている。『美濃国ノ秘宝』の一つである「大蛇の水晶」は、敵が攻めて来た時、雲霧を発生させ城を覆い尽くし、敵の攻撃から城を守る力を持っているんだ。いつしか、霧に覆われた岩村城の別名を「霧ヶ城」と呼ばれるようになったのは、この力によるものなのかもしれない。


攻め落とすことの出来ない岩村城に対して秋山信友は様々な策を考え、ある提案をおつやの方にすることにした。それは、結婚して戦を終結させるという驚くべき提案だった。『美濃国ノ秘宝』の力があるとはいえ、武田軍による被害に心を痛めていたおつやの方は、この地の人々を守る為に敵対する信友と結婚することを断腸の思いで承諾し岩村城を明け渡したんだ。
このことによりおつやの方は反感を買い、長篠の戦で武田軍に勝利した織田信長が岩村城を落城させると、おつやの方と秋山信友を処刑したんだ。
岩村城やこの地の人々を守りたかった「おつやの方」の想いは織田信長には伝わらず無念の死を遂げてしまった。だけど、生前「おつやの方」は、この想いを引き継ぐ者が現われることを信じ、『美濃国ノ秘宝』を秘かにこの地に隠したみたいなんだ。


そして先日、その『美濃国ノ秘宝』の在りかについて書かれた書物をついに発見したのさ。五つある『美濃国ノ秘宝』を集めるとこの地を守る力となるらしい。だけど、謎めいた記号で記されていて解読しないと見つけられないようだ。ボクは、おつやの方の想いをもっと多くの人に知ってもらいたいから、この秘宝をなんとしてでも見つけたいんだ。キミもよかったらボクたちと一緒に『美濃国ノ秘宝』を探してみない?
