タカラッシュ! ハンターズヴィレッジ

陽が傾くのが早くなってきた秋の中頃に、祖父が亡くなったという知らせが届いた。

祖父の葬儀の日、祖母から祖父の手紙を受け取った。
手紙には“託したいものがある。思い出の駅でわたしの手帳を探してほしい”と書かれていた。
わたしは手紙に従い、祖父の家の近くにある小さな駅を訪れた。

駅の待合室には小さな本棚が置かれている。

本棚を眺めながら、祖父と交わした会話を思い出していた。
あの時祖父はなんと言っていたんだっけ・・・?
思い出そうとしていると、見覚えがある祖父の手帳を、その本棚の中に見つけた。
中を開くと、一番はじめのページに“時をかける列車”と書かれていた。

パラパラと手帳をめくると、書かれていたのは“時をかける列車”について探し回った記録だった。
祖父はずいぶんと夢中になって“時をかける列車”を探していたらしい。

“時をかける列車” …そんなものが本当にあるのだろうか?

“時をかける列車”に乗るには“きっぷ”と“懐中時計”が必要なようだ。
手帳の中にはその在りかをしめす不思議な暗号が書かれていた。

わたしは胸を躍らせながら、暗号を解き始めた。